
Edixa+M42F.Zuiko 50mmF1.8
Kodak GOLD100
午後、自室での読書。
読んでいたのは「1973年のピンボール」。
途中、背筋を伸ばしたときに、
部屋の中が若干暗くなり始めていることに気が付いた。
まだ少し早いけど
、と椅子から立ち上がり照明のスイッチを入れる。
そのとき、窓から見える日差しの明るさに気が付いた。
違和感。
何故、「暗い部屋」にいたときにこの明るさには気付かなかったのだろうか。
今の「明るい部屋」よりも、それは際立って見えるはずなのに。
…いや、違う。
「明るい部屋」と比較して、ようやく外の明るさに気付いたのだろう。
「暗い部屋」の住民には、光はただの光でしかない。
それは自分とは違う、手の届かない星と変わりない存在。
その明るさの正体に気付いたとき、
光は晩年の赤に染まり始めていた。